LABORATORY研究室について

THEMES

研究の柱となる3つのテーマ

  • 運動による脳の修復力を解明し
    未来の医療を支える知見を追求

    私たちの研究室では、実験マウスを用いて運動が脳の健康に与える影響を科学的に解明することを目指し、主に以下の研究に取り組んでいます。
    01_老化した神経修復能の回復を促すリハビリテーションの開発
    02_中枢神経のホメオスタシスと育児・虐待行動との関連解析
    03_アルツハイマー病の予防・改善における運動効果の検証

PROFILE

プロフィール

  • 理学療法士・博士(医学)

    田中 貴士

    TANAKA Takashi,PT,PhD

    所属熊本保健科学大学 保健科学部 リハビリテーション学科 理学療法学・准教授

学歴

2002年
熊本県立玉名高等学校 普通科 卒業
2006年
熊本リハビリテーション学院(現:熊本総合医療リハビリテーション学院)理学療法学科 卒業
2009年
放送大学教養学部 生活科学コース 卒業
2011年
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 修士課程(神経生物学) 修了
2014年
大阪大学大学院医学系研究科 医学専攻 博士課程(分子神経科学) 修了

職歴

2006年
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2009年
熊本機能病院総合リハビリテーション部・理学療法士
2012年
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2014年
日本学術振興会 特別研究員(DC1)
2014年
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2017年
近畿大学東洋医学研究所 分子脳科学研究部門・助教
2017年
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2017年
大阪大学大学院医学系研究科 分子神経科学・特任研究員
2017年
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2020年
金沢医科大学医学部 解剖学Ⅱ・助教
2021年
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2022年
金沢医科大学医学部 解剖学Ⅱ・講師
2022年
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2024年
熊本保健科学大学保健科学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻・講師
2024年
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現在
熊本保健科学大学保健科学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻・准教授

受賞歴

2017年
第24回脳機能とリハビリテーション研究会学術集会 優秀発表賞(基礎研究部門)
2019年
第4回基礎理学療法学夏の学校 Impressive Presenter賞
2019年
第18回コ・メディカル形態機能学会 学会奨励賞
2020年
令和2年度金沢医科大学北辰同窓会 研究奨励賞
2020年
第24回日本基礎理学療法学会学術大会 奨励賞
2021年
2021年度金沢医科大学医学会 論文表彰
2022年
2022年度金沢医科大学医学会 論文表彰
2023年
第25回熊本県理学療法士学会 学会長賞
2023年
令和5年度肥後医育振興会 学術奨励賞
2023年
第27回日本基礎理学療法学会学術大会 優秀賞
2024年
2023年度基礎理学療法学 最優秀論文賞

RESEARCH

研究室概要

RESEARCH01

老化した神経修復能の回復を促すリハビリテーション

脳が損傷を受けると重篤な機能障害が生じます。機能回復には、損傷を免れた運動路の神経修復が重要なことが分かってきました。私たちは、老化した脳損傷モデルマウスを用いることで、加齢によって失われた神経修復能を回復させるリハビリテーションの開発や治療標的の提示に挑戦しています。さらに、薬剤や健康補助食品などの観点から脳損傷後の機能回復をもたらす方法の確立を目指します。
RESEARCH02

脳内のホメオスタシスと育児・虐待行動

近年、児童虐待が急増しており、虐待による心や精神の健康被害は大きな問題になっています。しかし、虐待を改善するための治療法は確立されていません。当研究室では、脳のホメオスタシスに異常をきたすと強い虐待が生じることを見出しました。マウスモデルを用いて、虐待に関する脳内メカニズムを明らかにすることで、治療標的の候補や予防法の開発に取り組んでいます。
RESEARCH03

アルツハイマー病の予防・改善における運動効果

認知症の約6割を占めるアルツハイマー病の治療法が少しずつ確立されてきました。しかし、認知症になる前段階での予防を望む声は多く、運動は予防に有効な手段の一つです。運動には、記憶に関わる海馬での神経新生を増やし、脳に蓄積した代謝性廃棄物の除去を促す作用が報告されています。私たちは、この両者に深く関わる可能性のある分子に着目することで、認知症の発症予防とそのメカニズムを解明しています。